どもり 遺伝

親御さんが自分の吃音を自覚・不安視している場合、
子どもも同じように吃音やどもりになってしまうのではないか、

と強い不安感を抱くケースがあるようです。

実際、近年の研究によれば、幼児期に発症する吃音には
それに関与する遺伝子の存在があることが報告されています。

例えば、両親や兄弟などの近しい血縁者に吃音の症状があった場合、
吃音の出現率は通常の三倍程度高くなるといった研究結果もあるそうです。

⇒また、こちらのページで、どもりの克服法を紹介しています。

さらに、遺伝子まで同じとされる一卵性双生児のケースでは、二卵性双生児よりも
一卵性双生児の吃音出現率の方がかなり高いため、遺伝による吃音の可能性が指摘されているようです。

ただし、これらのケースは家庭環境が同じであった場合、それが吃音の原因となっている
可能性も否定できないため、原因の特定は慎重に行う必要があります。

また、遺伝を症状の素因と捉えてしまうような考え方には、
治療方法の限定や矯正の否定といった医療的視野を狭めてしまう危険性があります。

ですから、吃音の原因が解明されることでより的確な対応が取りやすくなるのですから、
そこからさらに効果的な治療方法を導き出すことがこれからの課題だと言えるのではないでしょうか。

何事もそうですが、早期発見・早期対応が吃音やどもりにベストであることが最近の研究でも
明らかになっているようですから、症状が進行する前に専門家による治療を受けたほうが良いでしょう。

ただし、症状やその原因には個人差があるため、適切な治療を受けられるかが重要だと思います。
特に治療に対して不安感のある場合、心理面にも配慮して指導してくれる医療機関を探すことが大切です。